吉村泰典教授のご講演要旨

11月6日の東京岐阜県西濃会第二期総会で、慶應大学医学部名誉教授にして第二次安倍内閣の内閣官房参与を務められる吉村泰典東京岐阜県人会会長にご講演頂きました。以下はその要旨です。一人ひとりが考えさせられる内容でしたので、ぜひご一読願います。

『少子化問題を斬る』

少子高齢化と叫ばれるようになって久しいが、その弊害が必ずしも正確に伝えられていない。
少子高齢化に伴う問題は、お年寄り世代の割合が増え、現役世代の割合が減ることによって、現役世代の年金負担が増えたり、介護負担が増えたりすることだけにとどまらない。
少子高齢化とは、将来、日本の人口が減少することにほかならない。
日本の人口が減ることに対して、過密が解消される、とか、自然が増えてロハスな暮らしが出来る、と勘違いする向きもあるが、そもそも人口が減ると公的サービスに従事する人も減る訳であり、老人ホームの建物はあっても介護職員がいない、とか病院の建物はあってもお医者さんや看護師さんがいない、お巡りさんも少なくなるので犯罪も増える、と言った弊害の発生が予想される。
更に経済活動の規模も小さくなるので、欲しいモノが手に入らない事態もしょっちゅう発生する可能性もある。

吉村教授

今後も日本が発展、と言わないまでも最低限、今のレベルの暮らしを維持するには一人の女性が2人のお子さんを安心して産み育てられる環境を作らなければならない。

政府や行政、大企業はこの問題意識を持っているので、産休・育児休暇制度を充実させたり、保育所を増やしたり、制度や施設の充実は進んできている。
また、20年続いた経済低迷による就職氷河期のため、正社員として就職できず、収入の裏付けが得られなかったため、若い世代が結婚できなかった問題も、アベノミクス以降の景気好転で改善されつつある。

それでもフランスや北欧諸国のように合計特殊出生率(一人の女性が生涯に出産する子供の数)を2.0(人)台に回復させるには、シングルマザーでも子育てし、生活して行ける環境を作らなければならない。
そして我々日本国民一人一人の意識も、シングルマザーという選択をした女性を受け入れ、支えるように変えて行かねばならない。
その意味で少子高齢化対策とは、私達自身が自らに問われた問題として真剣に考えなければならない。

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会からひとこと:

ちなみに現在のIMFのトップである専務理事は、クリスティーヌ・ラガルドさんというフランス人の女性です(長身でショートヘアーの、モデルのような方なのでTV等でご覧になった方も多いかと思います)。彼女も実はシングルマザーとのことです。